2020227 放射23号線、不当判決言い渡される
2月27日13時15分。地裁419号法廷では3つの裁判の判決言渡し。
3番目に都道・放射23号線の事業認可取消を求める裁判の判決がありました。
「主文、1、本件訴えのうち,別紙1原告目録記載5, 6及び10の原告らの請求に係る部分をいずれも却下する。 2、その余の原告らの請求をいずれも棄却する。3、訴訟費用は原告らの負担とする。」
短い主文の読み上げだけで判決言渡しは数十秒で終わりました。
その後、14時過ぎから司法記者クラブで会見が行われ、代理人弁護士から(判決要旨について)以下のコメントがありました。
・原告中の3名方については居住していないとして却下の判断となりました。
争っていた事柄については、手続き上のことがらと実態的なことがらで判断がありました。
(手続きに関して)
・決済文書が無いが、経年での時代を経て破棄されていることは不自然ではない。
・決済文書の署名は鉛筆書きでもOKである。
・臨時措置法で決済は省略しても良いとしている。この法律は平成3年まで廃止されていないので有効。
(実態的な違法について)
・公有地を最大限活用すべきという原告の指摘はあるが、都の案でも公有地の活用がされている。
・(原告が提案&指摘した)地下案については甲州街道との交差がされないので、合理的な案ではない。
以上の判断に関して以下の問題点と今後に関してコメントがありました。
①都市計画法21条の「変更すべきことが明白である場合には」(国が)「認可時に判断すべきである」との指摘は、今後に活かせる判例ではないか。(34頁)
②21年決定については、今までよりも踏み込んで明確に適法と判断している。
③(裁判所は)和田堀給水所用地敷地を最大限活用すべきという原告指摘では、都の計画で最大限活用する計画が検討されているという事実誤認をしている。
等の解説がありました。
その後、原告団・訴訟団としての抗議声明が読み上げられ、控訴する方針を固めたとの発言で記者会見は終了しました。
「馬鹿にするな!!」(原告団長Tさん) 小平328号線控訴審で棄却の判決
本日(2019年7月25日)15時より東京高裁825号法廷にて、小平3・2・8号線(府中所沢線)の控訴審判決言渡しがありました。
判決主文は「①控訴人らの訴えを棄却する、②裁判費用は控訴人らの負担とする」
司法記者クラブで行われた記者会見及び弁護士会館で行われた報告会で、原告団長のTさんや原告団の吉田弁護士などから以下の報告がされました。(概要版)
「司法の役割を放棄したともいえるような、住民側の訴えを無視した行政追随の判決であり断固抗議する」
「被害の訴えについては被控訴人と参加人の主張を採用して棄却」
「戦災復興院告示の違法については、問題があるとしながら違法判断はしなかった」
「原告団会議で上告するかどうかを決めるがこの判決をそのまま受け入れることは到底出来ない」(記者からの「今後は?」という質問に対して)
「東京都は17年前の予測をそのまま正しいとして事業を進めているが、実際には交通量は大幅に減少しており4万都の主張は破綻している」
「唯一の評価できる点は、1審の東京地裁判決と同じように、沿道から離れた方々も原告として認める判断をしたということ。この判断で計画地から数キロ離れた住民も原告適格を認められた(計画地から2.6km離れた方等数人)」
【裁判情報】
小平3・2・8号線事業認可取消訴訟 平成29年(行コ)第201号事件 東京高裁民事第10部 裁判長/大段亨 裁判官/小林元二、大野和明、
【判決に対して出された原告団声明文、及び小平328号線訴訟の概要については、下記よりダウンロードできます。】
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2019年1月21日:赤羽西86号線事業認可取消裁判、第4回口頭弁論
東京地裁民事第2部Db係、森英明、小川弘持、鈴鹿祥吾
裁判長から
・裁判体が変わりました。弁論の更新をします。
・被告から準備書面(2)参加人から準備書面(3)が出されました。
・原告からは準備書面(4)が出されました。
・準備書面が国に届いていないということなので、原告からは準備書面(4)については陳述しないことにします。
・原告側は原告適格に関する求釈明に次回までに回答するようにしてください。
原告番号の〇番〇番等、一人は異議申し立てと氏名が違っているので。又計画地の近くというが距離等で例えば環境影響評価をした範囲だから影響があるなど、そのようなものが無ければ具体的に被害の有無の状況を整理して下さい。
・原告側へ確認したいことがあります。
手続きの瑕疵については、21年決定と25年決定と41年決定の3つが違法だという主張をされていますが(整理すると)、
①41年決定に瑕疵があるという主張
②21年決定が無いので、25年も41年決定も存在しないという主張
③21年の瑕疵が25年と41年決定に引き継がれているということ
の3つということで良いでしょうか。
・これに関連して、被告側は21年と41年については、内閣の認可は必要なかったという主張をしてされていますが25年についてはどうなのでしょうか。同じ旧都市計画法期間であるので同様に必要なかったということになろうかと思いますが、次回までにこの件について書面で明らかにするようにして下さい。
・今後についてですが、原告側が実態的な違法について述べているので被告と参加人はこのことに関して反論をまとめるようにして下さい。
・意見陳述について上申書が出されていますので、裁判所としての考え方を述べます。
意見陳述については訴訟法で定めがあるという訳ではないので毎回必ず意見陳述を認めるという考えは持っていません。しかし、例えば裁判体の構成が変わった際などに必要があればやると考えています。又、その他の事情などから節目になると考えられる時にはもちろん意見陳述を認めるつもりです。つまり、節目節目では必要に応じて意見陳述をしてもらおうと考えています。
(代理人から:意見陳述ということではなく、準備書面のポイントを述べることは次回にも行いたいのですが・・・)
・代理人の発言については、意見陳述とは全く違うので認めないということにはしません。むしろ準備書面を理解できるようにする為などの弁論は審理を進めるために必要とも考えますので一向にかまいません。
(その後、通常の法廷進行。弁論更新としてAさんが陳述)
Aさん
約144年間の間、4代に渡りこの地に住んでいます。家を新築したのがH23年。事前の測量の時も建築申請をした時も区の担当者からは「予算もつかないのでいつできるか分かりません」と言われたのに、新築した2年後に突然道路の説明会があった。到底納得できることが出来ません。又道路が通ることになる自然観察公園は災害時には避難所になると指定されていますが、この計画で公園が分断されてしまいます。公園である避難所を無くすような計画は防災に役立つことにはなりません。H23年の新築時のボーリング調査で自宅付近の地下水が1.5~3.8mであることが分かりました。更に地下7m付近まで地盤が柔らかいことが判明しました。その地盤の硬さを示すN値は「2.3~3.4」です。このような地盤の柔らかい箇所に道路が出来れば周辺の宅地で地盤沈下などの被害が出ることは容易に予測できます。更に周辺が高台になっていますので、荒川堤防が決壊するような豪が起きれば86号線が谷底ですので洪水の通り道になってしまいます。首都直下地震でも荒川河口から43km津波が溯上すると云われていますので、同様のことが起きます。防災というのであれば、感震ブレーカーの設置や消化の為のスタンドパイプ設置などが、住宅の耐震化・不燃化や火災対策をするべきで、道路の拡幅では地震に強い町や災害に強い町にはなりません。74年も前の計画をそのまま実行するのではなく、社会情勢の変化に相応しく、この地域の地盤の状況を踏まえて適切な街づくりをして下さい。補助86号線道路計画の廃止を強く求めます。
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10月9日 東京外環道訴訟第3回口頭弁論を傍聴して
大深度法(正式名称:大深度の公共的使用に関する特別措置法)のそもそもの違法性を問う「東京外環道」裁判は、口頭弁論3回目の今回期日より東京地裁で一番広い103号法廷に法廷を変更しての弁論。
弁論開始時に100席ある傍聴席はほぼ満員。入廷した裁判長も傍聴席を見つめてびっくりした様子(?)。
裁判長から原告側の準備書面と証拠書類の確認が終わった後には、裁判でも珍しいDVDの上映。(原告側からの証拠の確認として)東京外環道の工事現場の地上部に当たる、世田谷区内の「野川」の水面から気泡がブクブク噴出している映像が(下記写真)。噴出する有様はジャグジーかジェットバスと呼ぶに相応しい(?)ものでした。
この後、原告側の弁護士が、
「5月から7月にかけてとんでもない事態が起きている。野川下のトンネル掘削の先端部分で気泡が噴出している」
「東京外環道は大深度法の適用を受けており、大深度地下での工事は地上部への影響は無いとしてトンネル真上の住民には何の保証もなく安全としているが、水面なら目に見えるが普通の地上部では噴出が見えない事態が起きる。映像を見てもらえばわかるが、大深度法は地上部には影響がないという前提が破綻した」
「噴出している気体は、酸素濃度1.5~6.4%という低濃度の気泡はそこに人が得れば即死となるような危険なもの」
と指摘がありました。
その後は2人の原告が意見陳述。
1人は、武蔵野の大地:国分寺崖線、自然を守る重要性とこれを破壊する東京外環道の愚かさを訴え、2人目はトンネル工事中の陥没事故に備えて緊急避難計画を作ることを博多陥没事故後に求めたが、出されたものはひどいものであったことを指摘しました。このなかで、広島高速5号線ではきめ細かな対策が住民との合意の元で立てられているのに、国ができないはずがないと、述べましたた。
原告代理人が、これまでの主張について、国側の答弁を求めたが、裁判長は原告側の意見が全部出てから国が反論するようにと述べたことに、再反論の必要性もあるので個別に反論を出すことを求めました。
裁判長は、興奮した様子で自分の訴訟指揮に従うように主張し、
「個々の質問に答弁していたら、わからなくなるので、まとめて答弁をするように」
「どちらの肩を持つわけではないので訴訟審理を計画的に進めたい」などと、自らの法廷進行計画にこだわる姿勢を崩しませんでした。
結局、裁判長は次回までに気泡噴出や原告適格の問題について答弁するように国側に指示しましたが、裁判の進行を自らの思惑通りに進めたい為か、次回弁論期日前に「進行協議」をすることを決めました。
次回は、1月15日(火)午後2時~103号法廷。
(次回は2人が意見陳述予定とのことです。)
裁判終了後は衆院議員会館に移動して報告集会が行われました。
●武内弁護士から、法廷の経過を説明、「裁判長は原告側と国側から意見を出させて早く終えたい様子が見えた。そういうなかでは、傍聴席がいっぱいになることは大事と述べた後、最初に主張したのは、「違法」ということ。大深度で地上を自由に使えるというはおかしいこと、違法なことを述べた、国の書面は「適切にやっていますよ」と述べるだけで、いい加減な答弁しかしていない、国が持っている資料も出さない。これを出させたい。」と報告がありました。
●次いで、報告集会に参加した国会議員の共産党の宮本徹議員、吉良よし子議員、山添拓議員、立憲民主党の初鹿明博議員からあいさつがありました。
宮本議員は、
「野川で気泡が出たのが分かった後の7月に酸素濃度の数値を出せと言ったが出さなかったので、その後質問趣意書を提出したら【調査中】との返答。ところが8月になって【いつ調査したのか】と尋ねたら【6月】と回答があったとデータを隠していたことが分かった。とんでもない」と報告しました。
吉良議員からは、
「国は【気泡が出ない工法に変更する】と答弁したが、その後確認したところ、【工法は変えないで、気泡が出ないようにする】との返答。本当にいい加減である」と話しました。
山添議員からも、
「国が【なぜ、気泡がでたのかわからない。地層自体は空気を通さないので、ボーリングの孔があったから出た】と述べる一方、【地下水は上がってこないから大丈夫で空気を通す】という、ちぐはぐな答弁をしていることを紹介。
初鹿議員から、
「国土交通省にレクを受けたら、【調査用のボーリング孔が有ったので、噴出することになった】とのこと。ボーリング孔が40m地下まで伸びているので、【この孔の所在を調べられるか】と聞いたら、【調べられる】というので、【調べる予定はあるのか】と尋ねると【調べるつもりはない】と答えた。それではどこに孔があるのかわからないのではないか。外環全線の16kmで調査をしているはずなので、どこでも噴出する可能性が有るのではないか。住民の方々が不安になるのは当たり前。国は、【低酸素の気体は空中に出ると薄まるから大丈夫】というが、家の下に孔があったら安全でないこと、また、外環道は渋滞緩和が目的とされたが現在では、都心の渋滞は年の何度かあるだけ、目的がなくなっている。費用対効果を考えても必要ない。公共事業チェック議員の会としても、このような不要・不急の公共事業を何とかしたいと活動をしていきます」と述べました。 集会には、宮本議員、吉良議員、山添議員、初鹿議員が駆けつけてくれました。
●(質疑応答や参加者の発言)
原告適格で板橋の26号線の方から、「計画道路に住んでないが商店を持っている人を相手側は原告不適格と主張しているが」の質問に、弁護団から「(外環道では)上に住んでいる人、上に事務所を持っている人、隣に住んでいる人、沿線で道路による影響を受ける人、都市計画の区域内(行政区内)の人を原告としているので、2km離れた人も原告」と報告。
その後、同じ大深度法で事業が進められている「リニア新幹線」に対して裁判を含めて取り組んでいる方から発言。リニアは大深度法認可申請から半年以上経つがまだ認可が下りていない。今回の外環道での事故(気泡問題)も、認可に「影響を与えているのではないかと感じているとのこと。
参加者の一人は、「私は真上に家があり、8人で住んでいる。これから掘削が進んでいくと心配。近くの善福寺川から(気泡が)でると心配。(外環道を支える会の)ニュースを入れてもらっているからわかるけど、公の方は『いつ、どこを着工してる』という説明ない。今年、測量も突然やってきた。場当たり的のようだ。もっと周知させように。」
弁護士から「大深度トンネル真上に住んでいる人に国は知らせないのは、大深度法に知らせることを決めてない。それは、地上に影響ないからという理由」
質問者が、「影響無いというが、鉄筋コンクリートは建てられない、地下室はダメとなっている」との質問に、「大深度法では建築の制限ないが、都市計画法で制限されている。外環道は都市計画決定されているので制限される。」と弁護士から説明。
青梅インターの裁判を4年やっているという方が、家に帰るのにタクシーを乗った時、運転手から、「この辺の運動は終わったの?」と聞かれたので、「なんで」と聞いたら「いままで旗が立っていたのになくなったから」と。
旗を立ててると、こういう風に見ててくれてるんだなあと思いました。
外環の2練馬の人は2013年から裁判で、いま、最高裁。上石神井駅の都市計画もあって、集会を開くなどしているとのこと。
道路連絡会のHさんからは都内12か所で裁判が行われており、今日も幾つかの箇所の方々が参加されていることが紹されました。(AさんとHさんの合作版)
裁判情報/
●事件名:平成29年(行ウ)第572号 東京外環道大深度地下使用認可無効確認等請求事件
●提訴日:2017年12月18日
●担当部:東京地裁民事第38部A2係
●裁判長:朝倉佳秀
●裁判官:野村昌也、細井直彰
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弁論続行!!・・・裁判長が被控訴人に対して10項目の釈明を求める異例な展開に・・・
2018年9月20日 小平3・2・8号線 控訴審第4回 10:30~ 傍聴記
事件名/平成29年(行コ)第201号 小平都市計画道路3・2・8号府中所沢線事業認可取消控訴事件
裁判官/(裁判長)大段亨 (裁判官)小林元二、浦木厚利、大野和明、小河原寧
前回期日(7月3日)に証人尋問が終わったので住民とその代理人弁護士の方々は最終弁論と思って臨んだ今日の控訴審第4回は、原告団長のTさんと4人の代理人弁護士の最終意見陳述の準備をして法廷に臨みました。
(同時にこの法廷前には111頁に及ぶ最終準備書面も提出済み)
法廷が始まり、控訴人側から最終準備書面の提出が確認され(陳述)た後、事態は意外な展開に。
大段裁判長は、
「裁判所としては、控訴審で出されている新しい主張に対しての被控訴人と参加人の法廷態度を明らかにして頂きたい。(それを確認してから判断をしたい。)被控訴人と参加人は控訴人側からの新しい主張とその事実関係について認否を含めた反論の有無を明らかにして下さい。」
として、具体的に10項目について次回までに書面を出すことを求めました。その10項目とは、(括弧内の該当ページも裁判長から指定がありました)
①(準備書面15~25頁)道路交通量が増加していないという主張について
②(準備書面26~27頁)認可前の交通量調査は認可時に考慮されたのかについて
③(準備書面28~29頁)再現結果係数に使われている「0.951」という数値は、交通量の増大を前提とした予測数値であるということについて
④(準備書面39~42頁)SPMの75%値でPM2.5の予測数値になるということは参加人が認めており、その試算からするとPM2.5は環境基準を超えることが確実であるということについて
⑤(準備書面43~44頁)小平3・3・3号線との交差部における複合汚染については考慮されていないということについて
⑥(準備書面46~48頁)光化学ダイオキシン及び接地逆転層の問題について
⑦(騒音に関して)
(準備書面53~57頁)-1:騒音に関する近接空間特例について
(準備書面63~67頁)-2:睡眠障害を起こす事例について
(準備書面68~70頁)-3:高さ7mの遮音壁を設置すべきということについて
(準備書面73~76頁)-4:学校などへの規制基準について
⑧(準備書面76頁)玉川上水の保全に関して参加人が認可後に関係機関と全く協議をしていないということについて
⑨(準備書面98頁)昭和37年決定で住民の意見を聞いていないことについて -旧法上での運用と事実関係についてー
⑩(準備書面106~107頁)(事業認可前)平成25年の住民投票について
でした。裁判長からこの後、
「それぞれどれ位の期日でその書面の準備が出来ますか?」
これに対し、被控訴人と参加人は、
「年内いっぱいには・・・」
これに対し控訴人代理人弁護士が、
「これまでの法廷で主張してきたものも多くあるので、初めから全部を検討する必要はないではないか。なんでそんなに時間がかかるのか。もっと早く書面は出来るはず」
やり取りが幾つかありましたが、概ね国と東京都の言うスケジュールを裁判所が認め、
「年内末ではなく12月20日までにということで準備して下さい。」
となりました。
次回期日の調整が行われ、次回は2019年1月22日(火)14:30~825法廷となりました。
その後、通常の裁判進行に移り、
「控訴人側では陳述を準備しているということですが、陳述しますか?」(裁判長)
「次回までに国と都が書面を出すということなので、必要に応じては次回以降にそれに対する反論や意見陳述が必要になると考えますが、今回はこれまでの主張を整理して補充するという意味で意見陳述をしたいと考えます」(控訴人代理人)
「分かりました。それでは今回の意見陳述をお願いします」(裁判長)
・控訴人からは、小平市議会と都議会が住民の請願を満場一致で採択した結果を無視した国と都の暴挙を批判し、高裁で十分検討をつくしてほしいと要請。
・吉田弁護士からは、「広範な裁量権を地裁が認めた違法性」、環境保全・大気汚染・騒音・自然環境と文化遺産などへの影響と原判決の誤りを指摘。
・木村弁護士は、交通量からみて道路の必要性がないこと。
・秋野弁護士は、コミュニティの破壊、居住の権利侵害について。
・渡邊弁護士から、旧都市計画法に基づく決定が「内閣の認可」を欠く違法なものであるこ となどを主張&陳述しました。
5人の陳述の後、書証の確認が行われ控訴人からの甲285号~296の2号証の提出が確認されました。
閉廷に近づき、裁判長から改めて被控訴人と参加人に対して、
「先ほど述べた釈明を求めた内容について、それぞれ準備をお願いします。裁判態度を明らかにして欲しいということですので」
その後、
「裁判所としては「期日は続行したい。」(という態度で臨みます)
と宣言。
ここで、控訴人代理人が立ち、
「審議に時間をかけるというのであれば、現地では事業が進められているので事業を一時中断することを求めます」
と主張。その後閉廷。
裁判後の報告集会は隣の弁護士会館でおこなわれ、吉田弁護士から、
「裁判長の10項目にわたる質問を国と都に指摘したのは、私たちの批判を受け止めてくれたともいえます。今日の法廷で口頭弁論は終結し次回は判決になると思っていましたが、この裁判長の質問は異例と言えます。」
「最終の弁論と思って今日は用意したが、次回の国の反論がどうなるか見もの。」
今日、新しく裁判官として裁判長の隣に座った大野和明裁判官は、さいたま地裁で、9条俳句を市の公民館が雑誌に掲載することを拒否したことを争われた裁判で、この裁判長として掲載拒否は違法との判決をした裁判官との紹介がありました。(A&Hさんの感想の合作)
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2018年9月12日15時半~ 恵泉裏道路裁判、控訴審第1回 高裁808法廷
【世田谷区主106号道路裁判】
小田急線の経堂駅と千歳船橋駅の中間に世田谷区道の恵泉裏通り(世田谷主106号)を北に恵泉女学園に向かって歩くと、突然「この先行き止まり」の看板にぶつかる。(下記写真は北側の恵泉女学園側から撮影)
ここが、今日の裁判の一方の主役、緑豊かな屋敷で、東京都に事業認定無効と収用裁決無効、世田谷区に土地所有権確認と都の収用委員会に明け渡し裁決の地理けしを求めて東京高裁に控訴した裁判。4月に東京地裁で住民の訴えを退けたため、東京高裁に控訴したもの。
裁判長が双方の意見陳述・答弁書を確認した後、都と区に対し、具体点をあげて住民側主張への反論をまとめるように求めた。(控訴人主張の内①当該道路は地域の為ではなく通過道路である。②平成20年の調査に誤りがある。の2点について)
この後、控訴代理人が、
「沿線では開通後の交通解放後に急こう配が原因となる環境負荷の増大、なかんずく騒音の増大や大気汚染の深刻化などが広範な地域に及ぶ・・という我々の主張に対して、東京都や区は実質的な認否を含むきちんとした反論をすべきである」(影響の範囲と程度が明確ではない) 「1審では、(環境負荷の増大が起こる・・という)この主張に対して事実誤認があった」そして、「事業認定時にはこれらのことは考慮されていなかった」(勾配の調査はしたが、その影響については何ら調査検討がされなかった・・との意)
この代理人主張を受けて、裁判長からは「今指摘されたことも踏まえて次回法廷までに準備をするように」と被控訴人側に言い渡した。
控訴人席には、車いすで臨んだ住民と弁護士、反対側には9人。
傍聴席は住民側支援者16人と都と区側の動員(16人)でほぼ満席に。
次回の法廷は、11月12日(月)15:00から同じ808法廷となりました。
裁判が終わってからの報告会で弁護士から、
「控訴審というのは1回の口頭弁論で結審にし、次回は判決というのが普通だが、次回の口頭弁論を決めたのは珍しい」と。
「この住民の家の緑が周辺の環境を守っている。ミカンやレモンの木など柑橘類が冬でも空気をきれいにしている。敷地内の湿地ではオタマジャクシ、震災時井戸もあって、井戸組み実習も行われている。」
「この1軒のため、道路がつながっていない」という「不便?」よりも、野鳥や昆虫、きれいな空気と子どもたちとお年寄りが安心して行き来できる町のどちらがよいかは一目瞭然。
ここで頑張っている住民や駆けつけた支援者に勇気を与えた。(Aさん記)